ボーイの仕事は結構辛いです。
慣れてくると要領が掴めるので、それなりにこなすことができるようなるのですが、それでも辛いなと感じる日もあります。なので辞めていく人も多いです。
ナイトワーク自体人の入れ替わりが激しい業界なのですが、キャバクラはその傾向が特に顕著だと思います。
この記事では、どんな人がボーイを辞めていってしまうのかについて紹介したいと思います。
つらい仕事内容……これがいつまで続くかわからない
まず「キャバクラの仕事内容はかなり辛い」ということを覚えておいて欲しいです。
開店前の準備時間中に始まり閉店作業に至るまで、とにかく1日中やることが目白押しで息つく暇もありません。
特に忙しい日にいたっては、もう考える前に自動的に体が動いているのではないかと思うほど目まぐるしく働くことになります。
ボーイは他の職業よりも給料がいいと言っても、本当に割りにあっているのか疑問を感じることがあるくらいです。
僕は今でこそ出世してマネージャーになり、ある程度以上のお金を得ることができています。しかし見習いの平ボーイの時分は、もっと辛さを感じていました。ただでさえ仕事内容がきついのに、それがいつまで続くのか全くわからなかったからです。
実際見習い期間中に辞めていくボーイはかなりたくさんいます。
辞めていく理由3選
ボーイが仕事を辞める理由の中でも、特に多い理由を集めてみました。
大抵のボーイは、以下の3つの理由でキャバクラを辞めています。
- ボーイの仕事が合わなかった
- 肉体的・精神的な問題で仕事を続けることができなくなった
- お客さんにスカウトされて別の会社に就職することになった
それではそれぞれの理由を詳しく説明していきます。
1. ボーイの仕事が合わなかった
ボーイが辞めていく理由の中でも、最も多いのが「仕事が合わなかった」という理由です。
ボーイの仕事に抱いていたイメージとギャップがあった場合や、実際に働き出してみたものの、あまり面白みを感じなかったと言って辞める人はかなり多いです。
ナイトワーク全般に言えることでもありますが、キャバクラ業界内の常識やマナー、仕事に対するスタンスは、一般的な会社とはかなりかけ離れています。
なのでそれに適応できない人や、どうしても合わない人は確実に存在するのです。俗に言う「水が合わない」ということですね。
そうした人は、早めに違う道を探す方がいいと思います。
相容れない環境で無理をして働き続けることは、本人にとってもお店にとってもメリットがありません。
2. 肉体的・精神的な問題で仕事を続けることができなくなった
次に多い理由が、「肉体的・精神的な問題で働けなくなる」ことです。
体を壊してしまったり、精神的な問題が出てしまい、お店を辞めざるを得なくなる人はかなり多いです。
キャバクラは、お客さんに気持ちよく飲んで楽しんでいただくことで対価を得ています。
お客さんの中には、キャストにだけではなく、ボーイにもお酒を奢ってくれる方もたくさんおられます。ほとんどがご厚意の賜物なのですが、中にはボーイを潰して遊びたがるお客さんもおられるのです。
例えどんな理由だったとしても、お客さんからのご厚意である以上、必ずいただかなくてはいけないのがボーイの仕事。飲めと言われたら飲まざるを得ません。
その結果、内臓を悪くして仕事を辞めることになる場合があります。
またキャバクラはかなり強烈な縦社会なので、先輩や上司の命令には絶対服従です。
できた人なら、無茶振りをすることもありませんし、実現不可能なことを要求することはないのですが、中には陰湿なイジメのようなことをする従業員もいます。
そうしたハラスメントを要領よく回避することができないボーイは、精神的に追い詰められてしまい、鬱を発症することが多いです。
もちろんそんな状態では仕事を続けることはできませんので、最終的には退職することになります。
3. お客さんにスカウトされて別の会社に就職することになった
これはレアケースですが、お客さんに気に入られたボーイが、そのお客さんが勤めている会社に転職することになり、キャバクラを辞めることもあります。
僕が勤めているキャバクラでも、お客さんに引き抜かれてお店を辞めた例が2つほどありました。
たまたまキャストの空きがなく、ボーイがお客さんのお相手を務めていたのですが、お客さんと話をしている内に仕事論の話になり、熱く語っている内に意気投合してしまったのがきっかけのようです。
1人は地元の中小企業の社長さんの元、営業に転身しました。
もう1人は、お忍びで遊びにきておられた、日本でも有数の広告代理店の役員さんに見初められ、マーケティング部門に入社したそうです。
ボーイはやめるのも一苦労?
これは夜の世界のあまりよくない部分なのですが、ボーイを止めようとすると執拗な引き止めが入ることもあります。
大手のチェーンや優良店であれば、14日前に辞めることを伝えれば問題なく辞められるのですが、ブラックなキャバクラだった場合、中々一筋縄ではいきません。
よくあるのが、「辞める場合は罰金」というものです。
法的には、雇用契約に罰金に関する内容を盛り込むことはできません。しかしナイトワーク業界では、当たり前のように罰金が科せられます。
本来であれば支払う必要はないのですが、「決まりだから」とか「契約書にサインしたから」という理由で罰金を強要されることが多いです。
これは罰金を取りたいというよりも(この手の悪徳店は取れるものは全て取ろうとしますが……)、「辞められて人手不足になるのは困る」という事情もあります。
どちらにしても仕事を続ける気がないのであれば、14日前に退職の意思を伝え、内容証明郵便で「退職届(退職願ではありません)」を提出して、筋だけは通しておきましょう。
これで法的には問題ありません。
でも、やはりこうなる前に自分はボーイに向いてる?かどうか考えてみればこういうことにならないのかもしれないですね。
バックレるのだけはやめましょう!
どれだけ辞めるのが難しくても、何の筋も通さずにバックレるのだけはやめましょう。
お店に迷惑がかかるというのも理由の1つですが、勤務していたキャバクラがちょっと危ないお店だった場合、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
また何よりも「バックレ癖」がついてしまい、その後違う仕事を見つけて就職しても、何か辛いことがあったときに、同じようにバックレてしまうようになるからです。